くにさきに住む様々な特技や知恵を持った人や後世に残していくべき文化お祭りなど
〝みつける・つなげる・のこす〟が詰まった
『くにさきの引き出し』
第10回にご紹介させていただくのは
国東町富来浦(松原区)にお住まいの【松吉鈴美(まつよしすずみ)】さん、76歳。

生まれも育ちも生粋の松原っ子。
理容室まつよしを切り盛りしながら、女手ひとつで3人のお子さんを育てあげた国東のオカンは、なんと旧国東町初の女性町議会議員だったそうです。(取材時に判明)
そんな松吉さんは、「この地域を元気にしたい、子どもたちに楽しい思い出を残してあげたい」と、様々な活動を行なってきました。
松吉さんのボランティア活動は、20年ほど前に始めた「松原フラワー会」が出発点。地元の道路が殺風景なのが気になって、勝手に花を植え始めたそうです。
その活動が広がり、サロン活動に発展。会の経費を賄うために始めた空き缶回収活動が認められ、2018年と2025年の2回、アルミ缶リサイクル協会の「アルミ缶一般回収協力者表彰」を受賞しました。
https://www.alumi-can.or.jp/pages/51/
また、「富来ようなれ会」を結成し、地元漁師が釣り上げた【市場に卸せない雑魚】を売る朝市を羽田海岸で行なったこともありました。獲れたての鮮魚が格安で販売されるとあって、1~2時間ほどの朝市に200人もの来場者が訪れ、大変な賑わいだったようです。
朝市は残念ながら続けられませんでしたが、代わりに、松吉さんの自宅前に「直売所 松金屋」を設けて、細々と続けてきたそうです。

直売所 松金屋
他にも、「富来ようなれ会」では、富来の開運橋を舞台に納涼夏まつりを企画・開催し、富来の夏の風物詩として親しまれてきました。
会の代表を退いた現在でも、次世代の手によって、場所を地区公民館に移して毎年開催されています。

今年の富来夏まつりのチラシ
地域にある国東市立富来小学校では、現在も2つの地域交流活動を継続して行なっています。
一つは、地域の伝統「福助凧(ふくすけだこ)」の凧揚げ行事。
富来小の1、2年生を対象に、明治時代から続く地域の伝統文化「福助凧」を体験してもらう凧あげ交流会を、毎年2月に行なっています。
https://tosonline.jp/news/20260206/00000002.html

市報くにさき2025年4月号より
もう一つは、読み聞かせグループ「さくらんぼの会」で行なう朝の読み聞かせです。
毎週金曜日の朝、1時間目の授業の前に各クラスごとに読み聞かせを行なっています。私の娘は今年から富来小学校に通っており、「さくらんぼの会」の読み聞かせをいつも楽しみにしています。
https://syou.oita-ed.jp/kunisaki/tomiku/news/21777/
「福助凧保存会」も「さくらんぼの会」も代表を務める松吉さん。御年76歳の今でもバイタリティに溢れ、やりたいことがどんどん頭に浮かんでくるアイデアの宝庫です。
自宅前には、お友だちからいただいたという大黒様が祀られ、開運・富来路ロードに一役買っています。
私も、移住してきたばかりの頃、この辺りを散歩しながらこの大黒様を見つけ、すごいなぁ!と感心したものです。

お友達からいただいてお祀りしている大黒様
また、本業である理容室まつよしには、今ではなかなか見られない新聞連載のサザエさんの切り抜きや、昔のメリーゴーランドからもらってきたのかな?と思われる子ども椅子など、他所にはない珍しいものがあります。
今はもう近所の高齢者施設への出張散髪くらいだと話していましたが、まだまだ現役理容師の松吉さん。手に職を持つ人はやはりすごいですね。

サザエさんの切り抜き

理容室まつよしにある子ども椅子
外での活動に力を注ぐ松吉さんですが、ご自身の趣味にもしっかり時間を割いているようです。
実は、私の娘と同じ絵画教室に通っている松吉さん。
理容室まつよしには、ご自身で描いた絵画や切り絵、今は亡きお母様の着物をリメイクした表装などが所狭しと飾られています。

趣味の表装を見せてくれる松吉さん
自分のため、そして、誰かのために、一生懸命取り組み、またそれを心から楽しむことができる松吉さん。
「こんなことしたいな」「こんなことしたら楽しいだろうな」と思いつくことはあっても、それを形にできる人はなかなかいません。
思いついたことを片っ端からやってきた松吉さんは、ご自身のその行動力もさることながら、きっとまわりに助けてくれる地元の方々がたくさんいらしたのだろうな、と思います。
そんな松原区、そして富来地区が、また次にどんなことを始めてくれるのか、ワクワクしながら待っていたい、そんな気持ちになる取材でした。
地域支援サポーター国東圏域担当:内田 華子