Uターンの視点 / 07
皆さんは「いのこ」とう風習をご存知だろうか。

毎年11月の第一亥の日に行われ、その年に生まれた子どもを祝う祭事である。
今のご時世では新生児が生まれる機会が少ないので、新築や開業などのお祝い事であれば、
いのこをすることができるようだ。

新藁で作った「いのこ棒(ぶち)」を持って、祝う家に赴き、
写真に書かれているような歌を歌いながら地面を叩く。



地面を叩くことで、その家の無病息災を願い、畑を荒らすモグラを払うというような意味合いがあるようだ。なぜモグラなのかというと猪に似ているからという話もあるようだ。加えて、いのこ棒の藁が散れば散るほど縁起が良いようだ。

基本は子どもたちが夕方に回るお接待のような行事だが、今では年齢関係なく地域の人たちも祝うような行事に変化したと聞く。お祝いをしにきてくれた人には、お菓子などを振る舞う。





全国的にもまだ残っている風習のようだが、豊後高田市香々地町には今でも残っており、その隣である国見町高島地区にも残っている。生まれてこの方、近くに住んでいるのに、こんな行事があったとは知りませんでした。ちなみに、写真は息子が産まれた年のいのこの様子。

やっている場所は車が渋滞しているのですぐわかると思います。
ぜひ、来年の11月の亥の日の夕方、いのこ棒を持ってお祭りに参加してみてはいかがでしょうか。


谷 知英