Uターンの視点 / 03
前回は国東における「子育て環境」についてお話ししました。
今回は「空き家の活用」について提案したいと思います。


空き家を活用した室内庭園プロジェクト「Growth」2012-2014

2012年の頃でしたが、ちょうど国東半島芸術祭の前身である国東半島アートプロジェクトが始まった頃。当時の僕はまだ保育士で、趣味の園芸にハマっていました。 

地元商店街の方より連絡があり、「空き家があるんやけど、何か面白いことはできないか」と相談を受けて、空き家を見に行きました。



すると、セメントと地面が剥き出しの室内が面白く、これなら何かできそうと考えたのが当時の趣味である園芸を活かせて、地域交流の場にできることを考えたときに室内庭園を思いつきました。アートについては全くの素人ですが、自分にできることを最大限考えた活用法でした。



芸術祭期間中ということもあり、ご近所のおばあちゃんから有名アーティスト、県内外から国外の観光客に至るまで多くの交流の場となりました。空き家を住むだけとして利用するのではなく、アトリエや表現の場として十分に機能してくれます。ここの空き家はこの活動の後、「イミテラス」というアートインレジデンスの施設に生まれ変わることができました。



住めない空き家や、どうしようもない空き家など年々増加していく空き家問題。
マイナスイメージだけでなく、いかに面白く楽しく空き家を活用できるか考えてみるのも一つの選択肢だと僕は考えます。

上手な活用例として、国東市に在住の写真家「高崎 惠」さんは、住居ではない空き家をスタジオ(写真作品の展示場所)として有効活用し、作品は国内外の方々から注目を集めています。

ぜひ、この機会に国東市の空き家を活用して「表現の場」を作ってみてはいかがでしょうか。

谷 知英