《サラリーマンの職は少ないけれど 》
移住でネックになるのは「職探し」という方も多いかと思います。
はっきり言って、国東市にサラリーマンの職は選ぶほどないかもしれません。
でも市民3万人近くが住んでいるのですから、皆さん何かしらの職についているわけです。
地元の若いご夫婦はほとんどが共働きです。
60代以上のご夫婦も共働きであったり、兼業されている方がほとんどに見えます。
ご主人がサラリーマンや自営、奥様がパートやアルバイト。
ご主人がサラリーマンや自営、奥様が農業（といっても専業農家ほどの規模ではなく、多めに作ったものを売る、など）。
ご主人が自営プラス農業、奥様はその手伝い。
ご主人が芸術家、奥様はパート。
あるいはその逆。
などなど形は様々ですが、収入源が一つ、という家は少ないかもしれません。
《働き口はなにかしらある》
職種や給料額、勤務体系（パートやアルバイト）にこだわらなければ、何かしらあります。
これは国東市に限らず、どこの地方もそうだと思います。
地方はなにしろ人口が減少しているので、いつもどこかが働き手を募集しています。
我が家のご近所の80代のお婆さんさえも、ネギの選別所へ週に2，3日働きに行かれていて、収入もさることながら人と接する機会として続けていらっしゃいます。
憧れる生き方として「半農半X」という言葉がはやりましたが、ここは昔からそういう生活です。
そして、自分で何かを始める可能性もむしろ都会よりあるのでは、と思うこともあります。
なにしろ競争（競合）がないし、人が少ない分、あるいは高齢化している分、特に若手（ここでは60代まで若手です）がビジネスチャンスとまでは言わないにしても、隙間産業を始めるには地方は可能性が色々あると思います。
《生活費 》
そうはいっても収入額が気になる方もいらっしゃるかと思います。
が、ここでの生活費は都会での生活費に比べたら断然少なくなります。
例えば我が家では、家は買ったので家賃なし、賃貸の場合でも月1～3万円くらいが多いです。
我が家の地域は地下水利用なので水道代なし、我が家は薪でお風呂を焚いたり（夏は太陽光温水器）、薪ストーブで暖をとったりしているのでガス代も月に3000円程度、エアコンを設置していないので電気代も月に3000円程度。
野菜は畑で作っているのといただきものでほぼ買わず。
魚もしょっちゅういただくのでほぼ買わず。
果物もいただいたり採ったりでほぼ買わず。
他にも自分で採ったり作ったりで、買わないもの多数。
ということで、東京での生活費より月10万円は少なくなりました。
外食や買い物をするところがない、というのも減った一因です。
でも外食や買い物をしなくてもストレスがたまる、ということはありません。
外食よりなにしろ自分で作ったりいただいたり採ったりする食材が断然おいしいので、毎日の我が家のごはんがご馳走です。
買物はいよいよ必要になればちょっと足を延ばしておでかけ、という楽しみなイベントになります。
それに今はネットがありますので、某●mazonなどに頼めばなんでもすぐ届きます。
暮らし方によりますが、自給自足が可能な地域なので、現金の消費を減らそうと思えばかなり減らせるのです。
その分、現金稼ぎのために働かなくてもいい。
《我が家の場合 》
ここでの暮らしの仕事を一緒にしていただく体験型の宿泊です。（素泊まりもできます）
東京では洋服のデザイン、製造、販売をしていたのですが、その頃から下着の型紙をホームページで販売していて、移住後も続けています。 それがもう一つの収入源です。
山では椎茸を作っているのですが、たくさん採れた年は干し椎茸にしたり、薬草がたくさん生えているのでそれを乾燥させて薬草茶にしたり、味噌作りのために畑で作っている大豆が余ったりしたら、ホームページで販売しています。これらは収入源としては微々たるものですが、それでも多少の収入になる、という楽しみがあります。
以前東京でサラリーマンをしていた頃の収入と比べたら比べ物にならないくらい現金収入は減りましたが、暮らしは今の方が断然豊かです。
コロナ禍においても、宿泊業は大打撃を受けているにもかかわらず暮らしは変わらず、豊かさも変わりがありません。
私が住んでいる国見町は芸術家（陶芸、竹工芸、染色など）の移住者が多い地区なのですが、我が家を含め「どうやって食ってるんだろう？」とお互い思っているし地元の方もそう思っていらっしゃるかと思いますが（笑）、みんななんとかなっているのです。
（もちろん皆さんとても頑張っています。）
それもこれも、ここが豊かな地だからかな、と思います。
せっかく移住するんですから、好きなことをしないともったいない。
都会と同じ働き方をするなら移住の意味がない。
移住に必要なのは健康と夢と、ちょっとの貯金です。（私感です。）
